昨年12月総選挙の終了から3ヶ月を経た3月12日、首都ヤムスクロで新国民議会が発足。これに先立ち数日前に辞職していたソロ前首相(Guillaume SORO)が、議長に選出された。首相の座を退いたもののまだ政治的な影響力を振るうことになる。
内閣メンバーはほとんどが留任だが、2つの変化と言えば、新首相にアウスカディオ氏(Jeannot Ahoussou Kouadio)が選ばれたこと(法務相を兼任)、そしてこれまでソロ首相が兼任していた防衛相のポストをワタラ大統領(Alassane OUATTARA)自らが兼任することになったことだ。
内閣人事は個々の大臣の能力よりも、政治的配慮に基づいているという批判があり、ほとんどの大臣が留任したことに対し、Jeune Afrique誌は失望の色を見せている。(以下記事要約)
ワタラ大統領は変革より安定を選んだ。内閣改造の人事では、メンバーのほとんどが留任したことに、コートジボアールメディアと欧米の外交官は期待を裏切られて失望している。変化といえば、ベディエ元大統領に近い人物であるアウスカディオ氏が新首相兼法務相が選ばれたことだ(*)。ワタラ大統領は今回の人事を、2010~2011年の選挙後の政情不安で落ちた経済をV字回復させるなどの「重要な任務が残っているから」だと正当化した。また、安全保障と軍隊改革をワタラ大統領自らが担当することによって、改革に断固取り組むという姿勢を見せている。
利権あさり
今回の内閣人事には、真の内閣改造を求めていた国際ドナーも失望している。大臣の中には「利権あさり」に精を出していると疑われる人物が複数いるからだ。大統領は2012年下期に予定されている大幅な債務削減の前には内閣のメンバーを大きく変えたくないのだろうといわれるが、彼らに対し「更迭も辞さない」と警告をしていたという。
経済再建と国内和解以外の政府の不安の種は、治安問題。選挙後の政情不安から1年が経つが、治安が完全に回復したとは言いがたい状況だ。よって、この件に関しては、ワタラ大統領は自らが防衛大臣のポストを兼任し、「リスクをとる」ことに決断したという。
危険な元反乱軍
なぜなら、防衛大臣としての一番の任務は、自らのために戦って(大統領の座に導いて)くれた元反乱軍が編入されている共和国軍にメスを入れることからだ。彼らの「統率は取れていない」。バグボ前大統領の失脚後、2万人の軍人が非武装化されたと現大統領は指摘する。それでも今日まだ4万人の元軍人(そのほとんどが元反乱軍)が確認されている。国家の社会再建・復帰プログラムによって武装解除をし社会復帰を促さなければならない元軍人の数は10万人に上るという。このためには楽観的に見積もっても10年はかかるという。
(*) この背景には、2010年大統領選の決選投票で、ワタラ氏が第一回投票で第三位で落選したベディエ氏に対して、自らへの支持と引き換えに首相のポストを与えるという、両者の間で交わされた約束がある。
Source : http://www.jeuneafrique.com/Article/ARTJAWEB20120314185318/#ixzz1pCUw0ol3
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