ギニアにはボーキサイト、鉄鉱石、金が豊富に眠るが、有効活用できておらず、改革は中途半端、ライセンスは凍結され、鉱業法は現実に則していない。コンデ大統領の課題は山積みだ。
ギニアでは2010年12月にコンデ大統領が就任し、それまでの3年間の政情不安に幕がおろされた。鉱業関連企業各社は長年忘れ去られていたギニアのボーキサイト(世界の埋蔵量の3分の2を占める)、鉄鉱石、金資源の開発可能性に沸き立った。
しかしその1年後、ギニアに対する熱意は急速にしぼんでしまった。「鉱業セクター、特にインフラに関する政府の方針が未だに明確に示されていないのは困りものだ。ライセンス付与に関しても透明・公平に行われることを期待している」と語るのは世銀で鉱業セクターを担当するバクム氏(Boubacar Bocoum)。GAC*代表のヤヤ氏(Mamady Yaya)は、「50年以上眠っていた、シマンドゥのような大鉱床の開発は待ったなしなのに、改革は中途半端で、投資家に不信感を与えただけで終わっている。ギニアにすでに進出している鉱業関連企業各社は待ちぼうけをくらっており、他の企業はギニアを避けるようになってしまった」とコメントする。
同氏によれば、「既存のルールを適用しようとするフォファナ鉱業大臣(Lamine Fofana)と、改革を企画するカンテ大統領官房(Ahmed Kante)という、異なる意見をもつ2人の中心人物が存在することが問題」であり、「実際にはフォファナ大臣の影響力はほとんどない。彼は大統領府の決断を待たなくてはならないから。その間、企業は何も答えが得られていないし、新しいライセンスの付与は凍結状態だ。全てが行き詰っている」と不満をぶつける。
カンテ官房は2007~2008年にコンテ元大統領政権下で大臣を務め、特に2007年の鉱業セクターのストライキの際には鉱業企業関係者と対立した人物。一方のフォファナ大臣は、首相府の鉱業担当で、前任のティアム前鉱業大臣(Mahmoud Thiam、2007~2011年)に近い。
新しい鉱業法は2011年9月9日に議会で可決された。この法律は手続きを簡素化し、政府の役割を大きくする(ギニア政府が案件の15%無償キックバックを得られる等)はずのものだった。しかし「鉱業法の中にはギニアの法律に反する矛盾した箇所が複数ある。法律家にとっては悪夢だ」とある弁護士は語る。「鉱業法はカンテ官房のチームによる突貫工事で作られたもので、鉱業関連企業各社からの意見をきくことをしなかった」と鉱業会議所の元副代表であったヤヤGAC代表は憤る。彼にとっては、前の鉱業法(1995年版)はそんなに悪いものではなく、もっと時間を掛けて法案を練ればよかったのに、とコメントしている。
コンデ大統領は、問題の重大さを認識しており、12月末には2012年の目標として大型案件の契約見直しを進めることを明言している。
(*GAC=Guinea Alumina Corporation。Global Alumina、BHPビリトン、Dubai Aluminumのコンソーシアム)
LE BEC, Christophe. Guinée : Des gisements en sommeil. Jeune Afrique 2664 du 24 janvier au 4 février 2012. p118.
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