果たして決選投票はあり得るか?今日2月26日に第一回投票が行われているセネガル大統領選挙では、5百万人の有権者が現職ワッド大統領を含む14人の候補者から選んで投票を行う。仮にワッド大統領が望み通り第一回投票で(過半数の得票を得て)選出された場合、今後7年間の続投が決まる。大統領側は、この投票が法に則って行われると約束している。
既に12年間大統領を務める現職アブドゥライ・ワッドは、第一回投票で勝利して三期目の任期を勝ち取る自信を見せているが、国際選挙オブザーバーは懐疑的だ。現在85歳のワッドにとって今回1978年から通算7回目の大統領選立候補(うち2回当選)となる。
金曜日深夜に終了した選挙活動期間は「ワッドか、反ワッドか」に終始したといえる。この一ヶ月で6人の死亡者と多数の負傷者が出ており、セネガルは緊迫した空気の中で、静かに投票日を迎えている。
憲法院は先月末、大統領の任期を2期までに制限した2001年憲法改正を微妙に解釈することによって、ワッドの立候補にゴーサインを与えた。この決定は、特に「6月23日運動(通称M23)」をはじめとする大規模な抗議活動を巻き起こした。M23は、昨年6月23日にワッド大統領が提出した憲法改正案(過半数ではなく25%の得票で大統領に当選できるようにするもの)に反対して起こった大規模な市民運動に由来し、野党勢力と市民団体を束ねているグループだ。
しかしM23の動員力は足りず、ワッドの立候補申請、憲法院による受諾、そして選挙活動を許してしまった。野党の候補者たちは一丸となって反ワッドの戦いを行うはずだったが、結局バラバラに選挙活動を行うことになり、最後までM23と足並みをそろえたのはたった3人だった。
土曜日、アフリカ連合(AU)とECOWASのオブザーバーを代表するオバサンジョ元ナイジェリア大統領は、ダカールでの4日間にわたる与野党との交渉の結果を発表した。
オバサンジョは、与党と野党の和解は得られなかったとし「この交渉が遅すぎたものであっても、国がカオスに陥るのはさけなければならなかった」と交渉の意義を正当化した。
オバサンジョが与野党に対して行った提案は、ワッドが勝利した場合に2年間だけ任期を与えるというものであったが、受け入れられることはなかった。M23は代替案として、投票を延期し9ヶ月間の移行期間を設けた上で、ワッド抜きで選挙を行うことを提案した。しかし、これらの提案は「再選すれば任期は7年間」と断言するワッド陣営によってことごとく拒否された。
野党候補者たちは支持者に対し、投票をボイコットせず、ワッドを無視して投票に出かけるよう呼びかけており、(ワッドが勝者となれば)開票結果を受け入れないと宣言している。大統領側は、この投票が法に則り、他の選挙と同様に通常通り行われると主張している。
野党候補の中には、選挙によってワッドを追い出せると見るものもいる。つまり、(第一回投票でワッドが過半数を得られず)決選投票が行われれば、反ワッド勢力を結集し、対立候補を勝利に導くということだ。
バンキムン国連事務総長はセネガルの状況を「危惧」しており、AUもすべての政治関係者に対して冷静を呼びかけている。仏ジュペ外相は「セネガルは民主主義国家であり、長く民主主義の伝統をもっている。(選挙の)結果がどうであれ、暴力には強く反対する。集会の自由、表現の自由は民主主義の根本だ。ただし非暴力が原則」とコメントしている。
以上、Radio France Internationaleニュースより和文要約。
0 件のコメント:
コメントを投稿