2月4日にロイターで報道されたのとは対照的に、BHPビリトンはベリンガ鉱床(Belinga)にはまだ手をつけていない。ベリンガは埋蔵量10億トンと推定される、アフリカ第二の大鉱床。中国のChina Machinery Engineering Corporation (CMEC)が握っていたその採掘権を2011年12月にガボン政府がサスペンドしてからというもの、あらゆる噂が飛び交っている。
2月8日、ガボン鉱業省のマヤガ=ミコロ代表(Francis Mayaga-Mikolo)は「BHPとベリンガに関する合意を結んだというのは真っ赤なうそだ」と噂を否定したが、実際にBHPとの交渉が行われたか否かについてはノーコメントだった。この注意深さは、シャンブリエ鉱業石油大臣(Alexandre Barro Chambrier)にも共通しており、ケープタウンで行われた鉱業カンファレンス(2月6~9日)では口をつぐんだままだった。一方のBHPは1月にガボン支店代表のジュン氏(Jean-Jacques Jung)が、フランスヴィル(Franceville)のマンガン鉱床に加えて「鉄鉱石にも興味が有る」とコメントしていたが、それ以来沈黙を保っている。
「この根も葉もない噂はこの案件を危機に落とし入れかねない。採掘権を持つ唯一の企業であるCMECに対して、政府が一方的に同社との合意を破棄して他の企業と契約を結ぶことは出来ない。そんなことをすれば国際的な裁判沙汰に発展し、案件が数年にわたって凍結させられてしまう」とガボンの政府高官は指摘する。「政府がCMECと妥協点を見つけなければ、いつまでたっても進展はない。第三者の登場によって膠着状態を打破できるかもしれないが、どちらにしても中国側の意向を汲まなくてはならないだろう」。
この政府高官によれば、BHPビリトンだけでなく、ブラジルのVale(同社はギニアのシマンドゥに注力してはいるが)をはじめ、他の中国企業や鉱業メジャーも交渉のテーブルにつく可能性があるという。
それまでは、当初2011年に生産開始予定だったベリンガ開発はストップしたままだ。
*この記事は以下のJeune Afrique誌の記事を日本語で要約したものです。
Source : LE BEC, Christophe. « Gabon : Poker menteur à Belinga. » Jeune Afrique 2666 du 12 au 18 février 2012. p59.
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