2012/01/21

コートジボアール:ワタラ体制の内側 Côte d’Ivoire : Le Système ADO


アビジャンの大統領府では、その主だけでなく仕事のスタイルも変わった。もはや気まぐれで物事が決まることはない。几帳面なワタラ大統領は信頼の置ける部下に囲まれている。

バグボ時代とは打って変わり、ごった返していた大人数のスタッフは少数精鋭に取って代わられ、来客はアポがないと待合室に入れないようになった。全てが秩序正しくなったと言える。しかし「(政府が)完全に機能するようになるまでまだ5ヶ月くらいかかるだろう。それくらいこの国はめちゃめちゃで汚職まみれだった」とワタラ大統領は見ている。

ワタラ大統領のトゥレ官房長官(Sidi Toure)は、「大統領は部下に仕事を任せるのを好み、多くを求める。だが、絶対的に信頼できる部下でないとならない」と分析する。ワタラは非常な慎重さで部下を選び、ソロ首相(Guillaume Soro)をはじめ、バカヨコ内務大臣(Hamed Bakayoko)内務大臣、コフィ財務大臣(Charles Dibi Koffi)、アウス法務大臣(Jeannot Ahoussou)、デュンカン外務大臣(Daniel Kablan Duncan)、アチ・インフラ大臣(Patrick Achi)といった閣僚と密に連絡を取り合っている。

中でも重要な役割を占めるのが、通称「トロイカ」のメンバーだ。
まず、クリバリ書記長(Amadou Gon Coulibaly)53歳。ウフエボワニ政権下でワタラが首相になる前の1990年から彼をサポートしてきた。大統領の腕・目・耳として、内閣と地方政治、大統領府直轄機関、まだ法務を担当している。
次に、タノ官房長(Marcel Amon Tanoh)60歳。防衛、治安、外務、人権と官房組織(バグボ時代は300人近くいたというが、現在は20人程度)の管理を担当。
最後に、大統領の実弟ワタラ氏(Tene Birahima Ouattara )56歳。ワタラ大統領の「コピー」と呼ばれ、大統領府における財政・人事改革を実行して、ヤムスクロとアビジャン合わせて900人のスタッフを解雇し、月間5FCFAの節減を実現した。

ワタラ大統領は朝9時半に勤務を開始し、毎朝必ず憲兵・警察長官と治安情報のアップデートを行った後、トゥレ官房長官及び広報担当者と打ち合わせ。10時半にはトロイカのメンバーと打ち合わせを行い、11時半には記者会見をおこなう。昼食はだいたいの場合、会議を伴う。月曜はトロイカのメンバーと、火曜日はソロ首相と、木曜日は海外からの来賓といった具合だ。金曜日はRiviera地区の自宅で執務するようにしている。大統領官邸Cocody地区にあるが、政敵であるバグボ前大統領が住んでいたこの場所に移ることを拒否しているのだという。
いずれはヤムスクロに業務を移行する予定だが、あと2、3年は時間がかかるだろうと大統領は見ている。

*この記事は以下の『Jeune Afrique』誌の記事を日本語で要約したものです。
Marwane Ben Yahmed. Côte d’Ivoire : Le système ADO. Jeune Afrique 2661 (du 8 au 14 janvier 2012). p28-30.

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