2012/01/10

ギニア 危険をはらむ軍隊改革 L’armée de tous les dangers

2011年719日のコンデ大統領の私邸襲撃事件以来、軍隊の改革はかつてないほどの重要性を帯びてきている。

襲撃事件がおきたのは、コンデ大統領が軍事改革のため委員会を設置してから1ヶ月後だった。事件は軍隊の改革を望まない者たちによる仕業だと考えられるが、彼らを恐れて改革を先延ばししては、国民と投資家の不安はぬぐえない。そんな非常にデリケートな状態の中で、改革は続いている。しかもギニアの軍隊は汚職の温床で、統率もまともに取れていない、問題だらけの軍隊なのだ。

ささやかな成果としては、すでに重火器類がコナクリから135キロ離れた内陸のKindiaに押しやられている。しかし武器の管理はずさんで、襲撃事件で使われた武器は横領されたものだと言われている。政府・役所の文民化も課題だ。ギニアでは四半世紀以上にわたって軍人が政府の重要ポストを占めてきた。文民化は確かに進んでいるが、今でも3人の将軍が内閣のポストについている。また、監査によって、軍隊による水増し請求などの汚職の事実が明るみに出ているが、まだ当事者が罰せられるにはいたっていない。

よって現状では、これらの改革は大河の一滴に過ぎず、抜本的な改革には程遠い。
目下の課題は、軍隊のメンバーの実数を把握することだ。「ギニアには1.2万人以上の軍人は必要ない」とECOWASの専門家は言うが、ギニアには3.5万人とも4.5万人とも言われる軍人がおり、その正確な数を誰も知らない。調査をするのも簡単ではない。ダディス・カマラがそうであったように、軍人たちに与えられる給与、食糧、ガソリンを横領し甘い汁を吸ってきた輩が必ずや妨害に出るというのだ。

コンデ大統領は、公務員の人事改革を利用して、軍隊から4200人を退職させ、4000人を水・森林管理、7000人を消防士・看視に転職させる方針を打ち出している。

改革にかかる費用(3000万ユーロ)の財源も大きな問題だ。軍事協力で実績のあるフランスと、コンデ大統領が最近訪問したアメリカが協力を約束しているが、金がすべてを解決するわけではない。改革はコンデ大統領の「勇気」にかかっていると言えるだろう。彼は「軍隊との対立は望まない」というが、大統領邸襲撃事件は、まさに軍隊の一部からの宣戦布告であり、大統領にとって反撃の口実を与える絶好のチャンスなのだ。

*この記事は以下のJeune Afrique誌記事を日本語で要約したものです。
Source : KONAN, André Silver. « Guinée : L’armée de tous les dangers ». Jeune Afrique 2640-2641 (du 14 au 27 août  2011). p40-42.


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