2011/11/26

コートジボアール 資本投資家の慎重な復帰 Timide retour des capital-investisseurs

危機を脱出して間もないコートジボアール経済は未だ先行き不透明で、今年中に実現する投資案件は極めて少ない。
徐々に戻ってきている資本投資家たちは希望と不安を抱えている。Cauris Management社はCFAフラン圏に特化した資本投資企業で、コートジボアールは「地域経済の肺だ」と言う。そんな同社も危機前は35%に設定していた投資額の上限を、25%に引き下げた。
慎重さの一因となっているのは、投資先の経済活動が麻痺していることにある。Caurisが数年前に投資した流通大手のCDCIは資本だけで150万ユーロの損失。一方、Emerging Capital Partners (ECP)社が資本のマジョリティを保有するコートジボアール電力公社(CIE)は、政争に巻き込まれた結果、北部地方の電力カットするはめになった。投資家としては非常に微妙な状況だ。

危機が収束し、正常化に向かっていても「先行きは不透明で、この国を十分に知り尽くしていない資本投資家たちは非常に慎重だ」と、英国開発機構・CDGの責任者は分析する。

投資家たちがコートジボアール経済の回復を願っているのは、ナイジェリアを除く他の西アフリカ諸国に魅力的な投資先がないからだ。
セネガルは大きく期待されながらも、期待されていたほどには成長していない。ダカールを拠点に選んだAureos Capital社は、まだ2件の投資案件しか実現していない。「セネガル市場に切り込んで行くのは難しい。多くの企業が外資の傘下にあるか、レバノン系に仕切られており、彼らは自分たちの資本をオープンにしたがらない」。ガーナは好調で、2年間で3000万ユーロが投資された。それでも、危機前のコートジボアールには程遠い。20082009年で約1.5億ユーロがコートジボアール資本の企業もしくは同国を中心に活動している企業に投資された。
「コートジボアールは約20年間の資本投資経験がある成熟市場なのです」と投資家のパイオニアの一人は語る。「産業化の観点から言えば、西アフリカのどの国もまだ十分なレベルに達していないのです」。

*この記事は以下のJeune Afrique誌記事を日本語で要約したものです。
Source : MAURY, Frédéric. « Timide retour des capital-investisseurs ». Jeune Afrique 2637 (du 24 au 30 juillet 2011). p96.

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