2011/11/20

セネガルのごみ問題(2) プラスティックごみ

ビニール袋やペットボトルなどのプラスティックごみは、そのまま捨てられると、分解されるまでに400年以上かかるらしい。

それでも、何かと便利で値段も安いプラスティック製品は、生活の中にあふれている。
飲み物のペットボトル、マーガリンやヨーグルトの容器をはじめ、買い物をすれば、無料でビニール袋がついてくる。ちなみに、セネガルでは毎日1千万ものビニール袋が使われており、国内のごみの約4割がプラスティック素材に起因するものだという報告もある[1]

ダカール市だけ見ても、ごみの量は年間で40.6万トン[2]ということなので、一日あたり乗用車1000台分以上のごみが発生しているということになる。 

日本では高熱焼却やリサイクルの技術が発達しているが、セネガルには高度なごみ処理インフラがなく、大抵のごみは埋め立て(集積場に放置)されるか、有害物質を発しながら焼却処理されるのが一般的。そんな中でごみが増え続けると、、、深刻な環境汚染になる。

ダカール郊外のブブス(Mbeubeuss)ごみ集積場の周辺では、堆積したごみから流れだした有害物質による土壌と地下水の汚染、焼却されたごみの煙による大気汚染が問題視されている。周辺の病院では環境汚染が原因と見られる患者の例が後を絶たず、乳児の奇形も報告されているという[3]

ちなみに、この集積場では子供を含む1000人以上が「ごみの拾い屋」として働いているという。リサイクルできそうなプラスティック、金属、ガラスなどのごみを集めて売り、一日あたり500円から1500円を稼ぐ。プラスティックごみ1Kgの値段は75CFAフラン(12)だという[4]
分解されず、川岸に打ち寄せられたごみ。(提供:Quentin Didier)
ダカールのごみ集積場。
出典: http://www.parismatch.com/Grand-Prix-Photo-Reportage/2010/Photos/Decharges-d-Afrique-survivre-ou-vivre-Antannarivo-Dakar-Addis-Abeba/184180/


[1] 国連人間居住計画(UN-HABITAT)のセネガル担当者によるコメント。APS. « SENEGAL : 10 millions de sachets plastiques utilisés chaque jour ». 05 Octobre 2010.
[2] 公衆衛生・生活環境大臣によるコメント。これによるとプラスティックごみの割合は8%そこそこ。Agence de Presse Sénégalaise (APS). « Sénégal: Les déchets plastiques constituent "un péril environnemental", selon Khady Mbow ». 25 Mars 2011. [3] GÉRARDZ Julien. « Sénégal : l'enfer du quotidien des trieurs de déchets ». Le 25 Mai 2011.

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