2012/03/26

セネガル 大統領選決選投票は無事終了、ワッド敗北を認める

セネガルでは3月25日、予定通りに大統領選の決選投票が行われた。第一回投票で上位2名だった現職のワッド大統領(85)と、彼の元でキャリアを積み首相を務めた経験のあるマッキー・サール氏(50)の師弟対決となった。
投票日当日は大きな混乱はなく、平和裏に投票が終了した。
投票率は未だ発表されていないが、50%程度にとどまった第一回投票よりは高いといわれている。

同日夜から国営放送(RTS)等で開票速報が流れ、特にダカールの選挙区ではマッキー・サール候補の圧倒的な優勢が伝えられた。

21時半頃、ワッド大統領がサール氏に電話し、勝利を祝福したという。

ワッド大統領はこれまであからさまに権力にしがみつく(そして息子に後を継がせる)姿勢を見せてきたため、あっさりと敗北を認めたのはうれしいサプライズであると同時に、セネガルの民主主義のレベルの高さを再び証明する出来事だといえる。

(ジウフ前大統領も2000年の大統領選で潔く敗北を認め、ワッドに政権交代をした。)

Source: Jeune Afrique/ RFI website

2012/03/16

コートジボアール ワタラ政権の内閣改造に失望 Côte d'Ivoire : déception à Abidjan après le remaniement de Ouattara

昨年12月総選挙の終了から3ヶ月を経た312日、首都ヤムスクロで新国民議会が発足。これに先立ち数日前に辞職していたソロ前首相(Guillaume SORO)が、議長に選出された。首相の座を退いたもののまだ政治的な影響力を振るうことになる。
内閣メンバーはほとんどが留任だが、2つの変化と言えば、新首相にアウスカディオ氏(Jeannot Ahoussou Kouadio)が選ばれたこと(法務相を兼任)、そしてこれまでソロ首相が兼任していた防衛相のポストをワタラ大統領(Alassane OUATTARA)自らが兼任することになったことだ。
内閣人事は個々の大臣の能力よりも、政治的配慮に基づいているという批判があり、ほとんどの大臣が留任したことに対し、Jeune Afrique誌は失望の色を見せている。(以下記事要約)


ワタラ大統領は変革より安定を選んだ。内閣改造の人事では、メンバーのほとんどが留任したことに、コートジボアールメディアと欧米の外交官は期待を裏切られて失望している。変化といえば、ベディエ元大統領に近い人物であるアウスカディオ氏が新首相兼法務相が選ばれたことだ()。ワタラ大統領は今回の人事を、20102011年の選挙後の政情不安で落ちた経済をV字回復させるなどの「重要な任務が残っているから」だと正当化した。また、安全保障と軍隊改革をワタラ大統領自らが担当することによって、改革に断固取り組むという姿勢を見せている。

利権あさり
今回の内閣人事には、真の内閣改造を求めていた国際ドナーも失望している。大臣の中には「利権あさり」に精を出していると疑われる人物が複数いるからだ。大統領は2012年下期に予定されている大幅な債務削減の前には内閣のメンバーを大きく変えたくないのだろうといわれるが、彼らに対し「更迭も辞さない」と警告をしていたという。
経済再建と国内和解以外の政府の不安の種は、治安問題。選挙後の政情不安から1年が経つが、治安が完全に回復したとは言いがたい状況だ。よって、この件に関しては、ワタラ大統領は自らが防衛大臣のポストを兼任し、「リスクをとる」ことに決断したという。

危険な元反乱軍
なぜなら、防衛大臣としての一番の任務は、自らのために戦って(大統領の座に導いて)くれた元反乱軍が編入されている共和国軍にメスを入れることからだ。彼らの「統率は取れていない」。バグボ前大統領の失脚後、2万人の軍人が非武装化されたと現大統領は指摘する。それでも今日まだ4万人の元軍人(そのほとんどが元反乱軍)が確認されている。国家の社会再建・復帰プログラムによって武装解除をし社会復帰を促さなければならない元軍人の数は10万人に上るという。このためには楽観的に見積もっても10年はかかるという。

() この背景には、2010年大統領選の決選投票で、ワタラ氏が第一回投票で第三位で落選したベディエ氏に対して、自らへの支持と引き換えに首相のポストを与えるという、両者の間で交わされた約束がある。

Source : http://www.jeuneafrique.com/Article/ARTJAWEB20120314185318/#ixzz1pCUw0ol3

2012/03/01

セネガル 大統領選 第一回投票が平和裏に終了、決選投票確実

大統領選挙の第一回投票が予定通り2月26日に行われた。28日現在の開票結果(45選挙区中30選挙区の結果)によると、いずれの候補の得票も過半数に届かず、決選投票が行われることが確実となった。主な候補の得票数は以下の通り: (*Observateur誌・France24・RFI共同)
  • アブドゥライ・ワッド大統領 36%
  • マッキー・サール元首相 27%
  • ムスタファ・ニアス元首相 14%
  • O.タノー・ジェン社会党党首 11%
  • イドリサ・セック元首相 8%
これにより、上位2名のワッド大統領(85歳)とマッキー・サール元首相(50歳)との間で決選投票が行われることが確実となった。マッキー・サールは他2名の元首相同様、ワッド政権下で首相を務めた経験があるが、2008年に反ワッドに転じた。落選した候補者たちは反ワッド色が強く、決選投票では野党票がマッキー・サールに集中する可能性が高い。正式な開票結果および決選投票の日程はまだ発表されていないが、決選投票は3月18日に行われるものと見られる。

<これまでの経緯>
2000年に初当選し、翌年自らが行った憲法改正で大統領の三選を禁止したにもかかわらず、85歳という高齢で三期目へ向けた立候補を表明した。大統領選候補者の資格を審議する憲法院が1月27日、ワッドの立候補を正当という決定を下して以来、セネガルでは反ワッドのデモが頻発し、全国で数名の死亡者と多数の負傷者が出ていた。このような緊張した空気の中で迎えられた投票日当日は、懸念されたような大きな混乱はなく、平和裏に投票が行われた。

2012/02/27

セネガル 大統領選投票日当日 Les Sénégalais ont commencé à voter dans le calm


果たして決選投票はあり得るか?今日226日に第一回投票が行われているセネガル大統領選挙では、5百万人の有権者が現職ワッド大統領を含む14人の候補者から選んで投票を行う。仮にワッド大統領が望み通り第一回投票で(過半数の得票を得て)選出された場合、今後7年間の続投が決まる。大統領側は、この投票が法に則って行われると約束している。

既に12年間大統領を務める現職アブドゥライ・ワッドは、第一回投票で勝利して三期目の任期を勝ち取る自信を見せているが、国際選挙オブザーバーは懐疑的だ。現在85歳のワッドにとって今回1978年から通算7回目の大統領選立候補(うち2回当選)となる。
金曜日深夜に終了した選挙活動期間は「ワッドか、反ワッドか」に終始したといえる。この一ヶ月で6人の死亡者と多数の負傷者が出ており、セネガルは緊迫した空気の中で、静かに投票日を迎えている。
憲法院は先月末、大統領の任期を2期までに制限した2001年憲法改正を微妙に解釈することによって、ワッドの立候補にゴーサインを与えた。この決定は、特に「623日運動(通称M23)」をはじめとする大規模な抗議活動を巻き起こした。M23は、昨年623日にワッド大統領が提出した憲法改正案(過半数ではなく25%の得票で大統領に当選できるようにするもの)に反対して起こった大規模な市民運動に由来し、野党勢力と市民団体を束ねているグループだ。
しかしM23の動員力は足りず、ワッドの立候補申請、憲法院による受諾、そして選挙活動を許してしまった。野党の候補者たちは一丸となって反ワッドの戦いを行うはずだったが、結局バラバラに選挙活動を行うことになり、最後までM23と足並みをそろえたのはたった3人だった。
土曜日、アフリカ連合(AU)とECOWASのオブザーバーを代表するオバサンジョ元ナイジェリア大統領は、ダカールでの4日間にわたる与野党との交渉の結果を発表した。
オバサンジョは、与党と野党の和解は得られなかったとし「この交渉が遅すぎたものであっても、国がカオスに陥るのはさけなければならなかった」と交渉の意義を正当化した。
オバサンジョが与野党に対して行った提案は、ワッドが勝利した場合に2年間だけ任期を与えるというものであったが、受け入れられることはなかった。M23は代替案として、投票を延期し9ヶ月間の移行期間を設けた上で、ワッド抜きで選挙を行うことを提案した。しかし、これらの提案は「再選すれば任期は7年間」と断言するワッド陣営によってことごとく拒否された。
野党候補者たちは支持者に対し、投票をボイコットせず、ワッドを無視して投票に出かけるよう呼びかけており、(ワッドが勝者となれば)開票結果を受け入れないと宣言している。大統領側は、この投票が法に則り、他の選挙と同様に通常通り行われると主張している。

野党候補の中には、選挙によってワッドを追い出せると見るものもいる。つまり、(第一回投票でワッドが過半数を得られず)決選投票が行われれば、反ワッド勢力を結集し、対立候補を勝利に導くということだ。

バンキムン国連事務総長はセネガルの状況を「危惧」しており、AUもすべての政治関係者に対して冷静を呼びかけている。仏ジュペ外相は「セネガルは民主主義国家であり、長く民主主義の伝統をもっている。(選挙の)結果がどうであれ、暴力には強く反対する。集会の自由、表現の自由は民主主義の根本だ。ただし非暴力が原則」とコメントしている。

以上、Radio France Internationaleニュースより和文要約。

2012/02/23

セネガル 大統領選間近・有権者の声 Paroles de Sénégalais

2月26日に迫ったセネガル大統領選。もうすぐ86歳になる現職ワッド大統領が3回目の任期を目指して立候補を表明したことで、反大統領運動が激化。国内の緊張が高まっている。以下はJeune Afrique誌2667号に掲載された選挙特集から有権者の声を抜粋したもの。


56歳男性・大学教授(歴史学)
セネガルの憲法に従えば、ワッドは大統領に立候補できないし、してはいけないことになっている。彼が自らの立候補を押し通せば、暴力沙汰が起こる恐れがある。セネガル人は他の人類と同じで、正義が抑圧される状況に置かれれば、断固抵抗するだろう。

31歳女性・自営業(飲食)
前回の選挙と同じくワッドに再度投票するつもりだ。彼は国を発展させるための知恵を持っていて、実際2000年に彼が大統領になってから変化が見られた。残念なことに一部のグループが暴力をあおっているけれど、誰に投票するかは個人的な問題なのだから、そっとしておいてほしい。

51歳男性・警察官
この不景気の中、ワッドは過去の大統領に比べればよくやってきた。新しい道路ができ、交通事情は改善した。セネガル人は平和を望んでいる。だから、投票が民主的に行われることを願っている。警察官としては暴力沙汰が起こらないことを祈っている。平和が保たれれば余計な仕事をする必要もなく、みんながハッピーだからね。

18歳女性・学生
ワッドには投票しない。あんな年寄りにはもう国を治める能力はない。息子に全てを与え、無駄な事業に何百億も費やす大統領はもううんざり。近隣国の例を見ると暴力がいかに恐ろしいかがわかる。大統領が無理に居座ったために、なんの理由もなく一家全員が殺されたりしている。

29歳男性・輸出入業
ワッドに投票するつもりだ。なぜなら野党に彼以上のことはできないから。現大統領はセネガルに資金を呼び込むすべを知っている。彼は今でも支持されているからきっと勝つだろう。暴力のリスクについては心配していない。宗教界(ムリッド派)は政治的発言をしないけれど、もし問題が起きれば人々は冷静を求める宗教界の呼びかけに従うだろう。

2012/02/18

ガボン ベリンガ鉱床をめぐるポーカーゲーム Gabon : Poker menteur à Belinga

鉄鉱石の採掘権を勝ち取るのは誰か?BHPビリトン、ヴァーレ、それともCMEC

24日にロイターで報道されたのとは対照的に、BHPビリトンはベリンガ鉱床(Belinga)にはまだ手をつけていない。ベリンガは埋蔵量10億トンと推定される、アフリカ第二の大鉱床。中国のChina Machinery Engineering Corporation (CMEC)が握っていたその採掘権を201112月にガボン政府がサスペンドしてからというもの、あらゆる噂が飛び交っている。

28日、ガボン鉱業省のマヤガ=ミコロ代表(Francis Mayaga-Mikolo)は「BHPとベリンガに関する合意を結んだというのは真っ赤なうそだ」と噂を否定したが、実際にBHPとの交渉が行われたか否かについてはノーコメントだった。この注意深さは、シャンブリエ鉱業石油大臣(Alexandre Barro Chambrier)にも共通しており、ケープタウンで行われた鉱業カンファレンス(269)では口をつぐんだままだった。一方のBHP1月にガボン支店代表のジュン氏(Jean-Jacques Jung)が、フランスヴィル(Franceville)のマンガン鉱床に加えて「鉄鉱石にも興味が有る」とコメントしていたが、それ以来沈黙を保っている。

「この根も葉もない噂はこの案件を危機に落とし入れかねない。採掘権を持つ唯一の企業であるCMECに対して、政府が一方的に同社との合意を破棄して他の企業と契約を結ぶことは出来ない。そんなことをすれば国際的な裁判沙汰に発展し、案件が数年にわたって凍結させられてしまう」とガボンの政府高官は指摘する。「政府がCMECと妥協点を見つけなければ、いつまでたっても進展はない。第三者の登場によって膠着状態を打破できるかもしれないが、どちらにしても中国側の意向を汲まなくてはならないだろう」。

この政府高官によれば、BHPビリトンだけでなく、ブラジルのVale(同社はギニアのシマンドゥに注力してはいるが)をはじめ、他の中国企業や鉱業メジャーも交渉のテーブルにつく可能性があるという。
それまでは、当初2011年に生産開始予定だったベリンガ開発はストップしたままだ。

*この記事は以下のJeune Afrique誌の記事を日本語で要約したものです。
Source : LE BEC, Christophe. « Gabon : Poker menteur à Belinga. » Jeune Afrique 2666 du 12 au 18 février 2012. p59.

2012/02/14

コートジボアール デュンカン外務大臣の外交政策 « Il faut revenir à la philosophie d’Houphouët »


この9ヶ月間で、デュンカン外相(68)は数々の西アフリカ諸国・欧米訪問をこなした。その目的は、西アフリカ地域の安全保障と協力関係を改善し、ドナー国を安心させ、経済外交を推進するというものである。

Jeune Afrique : コートジボアールの新しい外交精神とは?
デュンカン外相: 10年以上に及ぶ内戦・政情不安によってコートジボアールのイメージは傷ついてしまった。殻に閉じこもっているという印象を与えてしまっている。しかし、古くから友好国には我々が建国の父・ウフエボワニ(Félix Houphouët-Boigny、初代大統領)の精神を取り戻していると伝えたい。彼は「コートジボアールは全ての人の友であり、誰の敵でもない」と言い、近隣国をはじめとする世界と平和な関係を保っていた。だから、近隣諸国や地域連合との関係を今一度強化したい。例えば、西アフリカ諸国経済通貨同盟(UEMOAUnion économique et monétaire ouest-africaine)ECOWAS、協商評議会(Conseil de l’entente)、マノ川流域同盟(Union du fleuve Mano)など。

地域の安全保障というのは深刻な課題ですね。
非常に重要な問題だ。だからこそ協商評議会を再開したし、またECOWASが独自に介入できるような軍隊を持つことに我々は賛成している。その姿勢は我々が仏・米といった近代的な軍隊を持つ国との防衛・安全協力(麻薬取引、希少金属取引、テロとの戦い)を推進していることにも現れている。コートジボアール難民の帰還のために、リベリア、ガーナ、トーゴ、ギニア、そして国連高等難民弁務官事務所と合意を結ぶこともした。これによって一番不安定な地域、特に東部と西部の安全を取り戻すことが出来るだろう。

経済外交における重要事項はなんですか。
現代の外交は多角的で経済的要素が多く含まれる。我々の野望は2025年までに新興国の仲間入りを果たすことだ。そこでフランスをはじめとするヨーロッパ諸国やアメリカとの関係を強化するのは当然であり、同時に中国、韓国、ブラジル、インドなど新興国とも関係を築いていく。地下資源の開発、産業化、交通、低所得者住宅など、協業の可能性はたくさんある。
また、わが国の名誉領事ネットワークを拡大し、ブリュッセル、パリ、ワシントンへの経済ミッションに予算を与える。近く南アにも経済ミッションを開設する予定だ。目的は海外投資を呼び込むこと。カーボンファンドや持続的開発ファンドなど新しい可能性にもトライしている。さらに、今後はディアスポラの帰国推進、外交政策学院の設立なども検討している。

西アフリカ地域の統合についてはどうお考えですか。
我々は再び西アフリカ地域の原動力になりたいと願っている。アビジャン・アクラ・ワガドゥグをつなぐ道路網、発電所、鉄道網など地域統合事業を強化したい。ナイジェリア、ブルキナファソとの二国間委員会(大臣間の合同委員会)も再開した。西アフリカは世界で20番目の経済力を持っている。我々が地域統合に成功すれば、投資がどんどん舞い込むだろう。

この記事は以下のJeune Afrique誌の記事を日本語で要約したものです。 
Source : AIRAULT, Pascal. Daniel Kablan Duncan « Il faut revenir à la philosophie d’Houphouët ». Jeune Afrique 2665 du 5 au 11 février 2012. p69.